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【皮膚科医が解説】ニキビの原因と最新治療法|正しいケアでつるすべ肌へ!

[2025.06.06]

今回は、多くの方が悩む「ニキビ」について、皮膚科のガイドラインをもとに、原因から治療法、日常のケアまでをわかりやすくまとめてみました。

■ニキビって実は「病気」なんです

「ニキビ=思春期の肌トラブル」と思っていませんか?
実は、ニキビは医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」というれっきとした皮膚疾患。10代の思春期だけでなく、20代以降でも発症することがあり、放置しておくと色素沈着やクレーターのような瘢痕(はんこん)が残ることもあります。

だからこそ、「皮膚科での治療」がとても大切です。

■ニキビができる4つの主な原因

ニキビの発症には次の4つの要因が関与するとされています:

  1. 皮脂の過剰分泌
     ホルモンの影響などで皮脂腺が活性化し、皮脂が過剰に分泌されます。
  2. 毛穴のつまり(角化異常)
     古い角質がうまく剥がれず毛穴がふさがれ、皮脂が毛穴にたまります。
  3. アクネ菌の増殖
     毛穴の中で皮脂をエサにして「アクネ菌」が増殖。炎症の引き金になります。
  4. 炎症反応
     免疫反応が起こり、赤く腫れたり膿を持ったニキビ(膿疱)になります。

 

■ニキビの種類と進行段階

ニキビは、進行具合によって次のように分類されます:

  • 白ニキビ(閉鎖面皰):毛穴に皮脂が詰まり始めた初期段階。
  • 黒ニキビ(開放面皰):毛穴が開いて皮脂が酸化して黒く見える状態。
  • 赤ニキビ(紅色丘疹):アクネ菌が増殖して炎症を起こした状態。
  • 膿ニキビ(膿疱):炎症が進み膿がたまった重症ニキビ。

 

■皮膚科で行うニキビ治療の基本

では、皮膚科でのニキビ治療はどのように行われるのでしょうか?
日本皮膚科学会のガイドラインでは、面皰(めんぽう)治療を基本とした外用療法が推奨されています。

① 外用薬による治療(第一選択)

以下の薬が推奨されており、ニキビの種類や程度に応じて使い分けます。

  • 過酸化ベンゾイル(ベピオ)
     抗菌作用とピーリング作用があります。毛穴詰まりを解消しつつ、アクネ菌を減らす働きもあります。
  • アダパレン(ディフェリン)
     毛穴の詰まりを改善するレチノイド外用薬。面皰形成を抑えます。
  • 過酸化ベンゾイル+抗菌薬(ベピオ+クリンダマイシンなど)
     炎症がある場合、抗菌薬を併用することで赤ニキビにも効果があります。
  • 外用抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど)
     炎症性ニキビへの使用が中心。ただし耐性菌のリスクがあるため、単独・長期使用は推奨されません。

② 内服薬の併用(中等度〜重度の場合)

  • 抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)
     重症の炎症性ニキビに用います。耐性菌の観点から長期間投与は推奨されません。
  • 漢方薬(十味敗毒湯など)
     体質改善や慢性的な皮膚トラブルに使用されます。
  • ホルモン療法(女性のみ)
     低用量ピルやスピロノラクトンでホルモンバランスを調整。成人女性の難治性ニキビに効果的とされます。
  • イソトレチノイン                                         ビタミンAとその誘導体を合わせたレチノイドを主成分とした治療薬。レチノイドには皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用があるため重症ニキビに対して効果があるとされます。ただし日本では未承認のため自費となります。

 

■セルフケアでできる5つのポイント

治療だけでなく、日常のスキンケアも重要です。以下のポイントを意識しましょう。

  1. 洗顔は1日2回、やさしく
     ゴシゴシこすらず、泡で洗うのが基本。皮脂を取りすぎると逆効果です。
  2. 保湿は忘れずに
     ニキビ肌こそ保湿が必要。乾燥は皮脂の過剰分泌を招きます。
  3. ノンコメドジェニックの化粧品を選ぶ
     毛穴を詰まらせにくい処方のスキンケアやメイク用品を選びましょう。
  4. 睡眠・食事・ストレス管理
     ホルモンバランスに影響する生活習慣も大切です。ビタミンB群や亜鉛の摂取も◎。
  5. 自己判断でつぶさない!
     ニキビをつぶすと跡になりやすいので要注意。どうしても気になるときは皮膚科で処置をしましょう。

 

■最近注目の美容皮膚科的治療法

一般皮膚科での治療とあわせて、美容皮膚科では以下のような施術も人気です:

①ケミカルピーリング

毛穴の角質除去とターンオーバーの促進をすることでニキビが出来づらくなります。

➁レーザー治療(アグネス、CO2フラクショナルなど)

アクネ菌への直接アプローチや瘢痕治療を行います。

③光治療(IPL、LEDなど)

赤み・色素沈着の改善や皮脂を抑制することでニキビが出来づらくなります。

④ダーマペン:

針で肌に穴を開け、自然治癒力を引き出し、コラーゲン生成を促進する方法です。

ニキビ跡、毛穴の開き、肌のざらつきに効果があります。薬剤塗布を併用することもあります。

⑤マイクロニードルRF(ポテンツァなど):

極細の針で肌に穴を開けた後、薬剤を塗布して皮膚の深部まで浸透させ、お肌の状態を改善していく方法です。

薬剤がより深部に届くので効果が高いとされます。

 

これらは基本的に自費診療となりますが、難治性ニキビやニキビ跡のケアにおすすめです。

 

■まとめ|ニキビは「きちんと治療できる皮膚病」

ニキビは「仕方がないもの」「時間が経てば治る」と思われがちですが、正しい治療とケアで十分にコントロール可能な皮膚病です。
軽症でも、まずは皮膚科で診てもらい、自分の肌に合った治療を早めに始めることが大切です。気になる方はぜひ一度、当院へご相談下さい。最適な治療をご提案します。

 

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