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年齢とともに現れる肌の変化――「加齢性のシミ」と「肝斑」の違いとは?

[2025.05.23]

年齢を重ねるごとに気になってくる“肌のくすみ”や“シミ”。ふと鏡を見たときに、「あれ、こんなところにシミが?」と驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

中でもよく耳にするのが「加齢性のシミ」と「肝斑(かんぱん)」です。どちらも茶色っぽい色素沈着ですが、原因も治療法も異なります。

今回は、この2つのシミについて、皮膚科の視点からわかりやすくご紹介します。

また当院で行っている施術や費用についてもご紹介いたします。

 

加齢性のシミ――“老人性色素斑”とも呼ばれる日焼けの名残

  • 特徴

加齢性のシミは、医学的には「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」と呼ばれ、紫外線による肌ダメージが主な原因です。長年の紫外線の蓄積がある年齢層に多く、30代後半から徐々に目立ってきます。

見た目は、頬やこめかみ、手の甲などにできる、境目のはっきりした丸い茶色の斑点。大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、通常は平らですが、長年放置すると盛り上がることもあり、その場合は「イボ」に近い状態となります。

 

  • 原因

最大の要因は紫外線です。日焼けを繰り返すことで、皮膚のメラノサイト(メラニンをつくる細胞)が活性化し、メラニン色素が過剰に作られます。本来であればターンオーバーで排出されるはずのメラニンが、年齢とともに代謝が低下することで肌に残り、シミとして定着してしまうのです。

 

  • 治療法

皮膚科では、主に以下の治療が行われます。

  • レーザー治療(ピコレーザーなど):シミの色素を選択的に破壊する。
  • 内服薬(シナール、ユベラなど):メラニンの合成を抑えたり、排出を促す。
  • 外用薬(ハイドロキノン、トレチノインなど):メラニンの合成を抑える。
  • IPL(光治療):レーザーよりもマイルドな治療で、肌全体の色むらを改善。

 

ピコレーザーは、加齢性のシミには高い効果を発揮します。内服薬・外用薬・紫外線予防をして頂くことが前提ですが、一度の照射で平均7~8割薄くなるとされます。

注意点としては、①最大1-2週間はかさぶたとなってしまうことシミの経過としては直後にやや濃くなること2週間後に一旦は薄くなり、1か月後に再度濃くなった後、3か月から半年かけて薄くなることがあります。

 

肝斑――女性ホルモンと関係の深い“ぼやっと広がるシミ”

  • 特徴

肝斑は、30〜50代の女性に多く見られ、特に頬骨のあたり、額、口のまわりなどに左右対称に広がる、ぼんやりとした茶色いシミです。見た目が加齢性のシミと似ているため混同されがちですが、肝斑は境目があいまいで、広範囲に広がっていることが特徴です。

 

  • 原因

肝斑の発症には、以下の要因が関わっています:

  • 女性ホルモンの変動(妊娠・ピルの使用・更年期など)
  • 紫外線
  • 摩擦(強いクレンジングやタオルでのこすりすぎ)
  • ストレスや睡眠不足

女性ホルモンの影響が強いため、妊娠中や閉経前後に悪化するケースが多くみられます。

 

  • 治療法

肝斑の治療は、加齢性のシミと大きく異なります。レーザー治療は逆効果となることがあり、悪化する可能性があるため注意が必要です。

一般的な治療法は次の通りです:

  • 内服薬(トラネキサム酸):メラニンの産生を抑える。
  • 外用薬(ハイドロキノン、ビタミンC誘導体など):メラニンの合成を抑える。
  • ピーリング:ターンオーバーを促進し、くすみを改善。
  • トーニング:マイルドな治療で肌全体の色むらを改善。

肝斑は根気よく治療を継続することが大切で、半年以上かけてじっくり改善していきます。肝斑に有効なレーザーとしてはトーニングがありますが、マイルドな治療なため、5、6回施行し肌のトーンアップが実感できるような治療となります。

 

シミ治療で大切なこと――自己判断はNG!

シミ治療でよくある失敗は、「市販の美白化粧品やネット情報だけで自己判断してしまうこと」。加齢性のシミと肝斑では、見た目が似ていても原因や治療法が異なるため、間違ったケアは悪化を招くおそれがあります。

特に肝斑に対して強力なレーザー治療を行うと、炎症が起こって色素沈着がひどくなったり、治療が長引いたりすることがあります。正しい診断と、肌に合った治療プランを立てることが重要です。

当院での価格表

 

 

まとめ:肌のシミは、年齢の“履歴書”

シミは、これまでの肌の歴史を物語るような存在ですが、早めのケアと専門的な治療によって、その印象は大きく変わります。

「なんとなく気になるシミがある」「スキンケアでは限界を感じる」――そんなときは、ぜひ一度、当院を受診してみてください。

自分の肌をよく知り、正しくケアすることが、美しく年齢を重ねる第一歩です。

 

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