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多汗症とは? 原因・治療についてわかりやすく徹底解説!

[2025.07.04]

「人より汗っかきかも…」「緊張すると手のひらがびっしょり」「脇汗が気になって服選びが大変」。こんなお悩み、ありませんか?

日常生活に支障をきたすほど汗をかいてしまう状態、それが「多汗症(たかんしょう)」です。今回はこの多汗症について、皮膚科医の視点から分かりやすく解説します。診断基準や保険診療の内容、自費治療であるボツリヌストキシン治療についてもお伝えします。

多汗症とは?

多汗症とは、体温調節に必要な範囲を超えて過剰に汗をかいてしまう状態を指します。日常生活で困るほどの汗が、特定の部位(手のひら・足の裏・わき・顔など)に限局して出る場合を「原発性局所多汗症」と呼びます。

原発性多汗症の特徴

皮膚科学会の診断基準では、以下の6項目のうち2項目以上が当てはまると原発性局所多汗症と診断されます。

  • 最低6か月以上、明確な原因なく汗が多く出ている
  • 最初に症状が出たのは25歳以下
  • 対称性に発汗がある(左右同じように出る)
  • 睡眠中は発汗が止まる
  • 1週間に1回以上、日常生活に支障がある
  • 家族に同じような症状の人がいる

このように、原因が明らかでないにも関わらず、特定の場所に異常に汗をかいてしまうのが原発性多汗症です。

多汗症の原因

原発性多汗症(原因が明確でないもの)

  • 自律神経のバランスが影響
  • 思春期以降のホルモン変化
  • ストレスや緊張(交感神経が過敏に)

明確な「病気」があるわけではありませんが、交感神経の異常興奮が主な要因と考えられています。

続発性多汗症(二次的な病気が原因)

以下のような疾患や薬剤の副作用によって起こることもあります。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
  • 糖尿病や低血糖
  • 肺結核
  • 更年期障害
  • 特定の薬(抗うつ薬など)

この場合は原因疾患の治療が優先されます。

多汗症のタイプ別:どんな汗?

部位

特徴

生活への影響

手のひら(手掌多汗症)

緊張や対人場面で悪化。書類が濡れる、握手がつらい

学校や職場、接客に影響

足の裏(足底多汗症)

靴の中が蒸れる、においが気になる

靴選びやスポーツに支障

脇(腋窩多汗症)

シャツに汗ジミ、においの悩みも

おしゃれが楽しめない

顔(顔面多汗症)

顔に汗が噴き出る、メイク崩れ

美容面や人前での緊張感

治療法:多汗症にはどんな治療がある?

① 外用薬(保険適用あり)

エクロック®ゲル(抗コリン薬)

  • 2020年に登場した保険適用の塗り薬
  • 脇汗に有効(腋窩多汗症)
  • 発汗を抑える作用のある「抗コリン薬」
  • 1日1回、脇に塗るだけの簡単な治療

ラピフォート®ワイプ(2023年承認)

  • シートタイプ、個包装の外用剤
  • 外出先でも使いやすく、携帯性◎

② ボツリヌストキシン治療(自費治療)

  • 神経伝達をブロックして発汗を抑制
  • 効果は3~6ヶ月持続
  • 繰り返し治療が可能で副作用も少なめ

③ 内服薬(抗コリン薬)

  • プロバンサイン®など
  • 汗の量を全身的に抑える効果あり
  • ただし副作用(口の渇き、便秘、眠気など)に注意
  • 特に顔や手足の多汗症に選ばれることも

④ イオントフォレーシス(手足に特化)

  • 微弱な電流を皮膚に流す治療法
  • 手足の多汗症に特に有効
  • 週2~3回の施術が必要(家庭用機器もあり)

自費治療としてのボツリヌストキシン:どんな人におすすめ?

以下のような悩みを持つ方には自費でのボツリヌストキシン治療が人気です。

  • 手のひらの汗で書類が破れる、スマホ操作ができない
  • 足の裏が蒸れてにおいや水虫が気になる
  • 顔に汗が噴き出してメイクがすぐに崩れる
  • 保険の外用薬で効果が薄かった

ボツリヌストキシン治療のメリット

  • 治療時間は10~20分と短時間
  • 日常生活にすぐ戻れる(ダウンタイムほぼなし)
  • 発汗量が大幅に減り、QOLが劇的に向上

注意点

  • 効果は永久ではない(約3~6ヶ月で再治療が必要)
  • 注射時の痛みがあるため、麻酔クリームの併用がおすすめ

 

料金表

 

まとめ:多汗症は治療できます

「汗は我慢するしかない」と思っていませんか?

多汗症はれっきとした医学的な疾患です。今は保険診療で使える塗り薬や、確実な効果が期待できるボツリヌストキシン治療など、選択肢が広がっています。

あなたに合った治療を選ぶことで、汗の悩みは改善し、生活がずっとラクになりますよ。気になる方は、皮膚科専門医または美容皮膚科クリニックにご相談くださいね。

よくある質問(Q&A)

Q:市販の制汗剤とはどう違う?
A:市販のものは「制汗」「消臭」効果がありますが、効果は一時的。医療用の外用薬は、発汗そのものをコントロールする作用があるため、根本的な改善が期待できます。

Q:ボツリヌストキシンはずっと続けるの?
A:効果は一時的ですが、3~6ヶ月おきに定期的に打つことで、長期的なコントロールが可能です。回数を重ねることで汗の量が減少していく方もいます。

Q:どの治療が合うか分かりません。
A:多汗症の部位や程度により治療法が異なります。まずは保険診療での塗り薬や検査を受けてから、自費治療(ボツリヌストキシンなど)を検討するのがおすすめです。

 

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