ほくろ
ほくろとは何か?
ほくろとは、皮膚の中にあるメラノサイト(色素細胞)という細胞が増殖してできた良性腫瘍です。メラノサイトは本来、紫外線から身体を守るためにメラニンという黒い色素を作る細胞ですが、この細胞が増えたり塊になったりすることで、皮膚の一部が黒や茶色に見えるようになります。
どこにできるの?
- 顔、首、腕、背中など、体のあらゆる場所にできます
- まれに、目の中、口の中、陰部、足の裏などにもできます
いつできるの?
- 生まれつきあるもの(先天性)
- 思春期以降にできるもの(後天性)
成長に伴いホルモンの影響や紫外線の刺激を受けて、数が増えたり大きくなったりすることがあります。
ほくろの種類
ほくろにはいくつかの種類があり、医学的にはそれぞれ「○○母斑」と分類されます。
【1】色素性母斑(しきそせいぼはん)
いわゆる一般的なほくろです。メラノサイトが皮膚内で増えてできた良性腫瘍です。
◆分類:
- 境界母斑:皮膚の表皮と真皮の境界にできるタイプ。やや平坦。
- 複合母斑:表皮と真皮の両方にメラノサイトがあり、やや盛り上がる。
- 真皮内母斑:真皮の中にとどまるタイプで、ドーム状に盛り上がることが多い。
【2】先天性母斑(せんてんせいぼはん)
生まれたときから存在する母斑です。20cmを越える大型の先天性母斑は悪性化するリスクがあるため、切除が勧められます。
【3】青色母斑(せいしょくぼはん)
メラノサイトが皮膚の深い部分に存在するため、青みがかった黒色に見えます。
一般的には良性です。
【4】その他の母斑
- 脂腺母斑:皮脂腺が異常に発達しているタイプで、黄色っぽく、髪の生え際や頭皮に多い。将来的に悪性化することもあるため、切除が勧められる。
このように「母斑」と一口にいっても種類はさまざまです。
どうしてほくろができるのか?
■主な原因
- 遺伝的な要因
体質として「ほくろができやすい」家系もあります。 - 紫外線(UV)
日光に当たることでメラノサイトが刺激され、色素が増加することで発生することがあります。 - ホルモンの影響
思春期や妊娠中、加齢などでホルモンバランスが変化すると、ほくろが増えることがあります。 - 摩擦や刺激
下着のゴム、靴ずれ、髭剃りなどの慢性的な刺激も要因となることがあります。
ほくろと皮膚がんの見分け方
多くのほくろは良性ですが、悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんと似た見た目になることがあります。以下のような変化が見られたら、受診をお勧めします。
■見分けるポイント(ABCDEルール)
| 項目 | チェック内容 |
| A:Asymmetry(非対称) | 左右の形が違う |
| B:Border(境界) | 輪郭がギザギザしている |
| C:Color(色) | 黒、茶色、赤など色が混ざっている |
| D:Diameter(直径) | 6mm以上ある |
| E:Evolving(進行) |
急に大きくなった、盛り上がってきた |
これらのうち1つでも当てはまれば、念のため専門医の診察を受けたほうがよいでしょう。
診断と検査方法
■ダーモスコピー検査
専用の拡大鏡(ダーモスコープ)を使い、皮膚の構造を詳しく観察する検査です。
ほくろとメラノーマの違いを見極めるために非常に有用です。
■生検(皮膚の一部を取って顕微鏡で調べる)
見た目や経過から疑わしい場合は、局所麻酔をして一部を切り取り、顕微鏡で組織を調べる検査が行われます。
ほくろの治療方法
基本的に良性のほくろは治療不要ですが、美容目的や悪性の可能性がある場合には除去されることがあります。
主な治療方法
| 治療法 | 特徴 |
| 手術(切除) | メスで切除し、縫合する方法。大きいものや悪性が疑われる場合に行う |
| CO2レーザー(炭酸ガスレーザー) | 盛り上がった小さなほくろを蒸散させる。出血が少なく傷も小さい |
日常生活での注意点
紫外線対策をしよう
紫外線は色素細胞を刺激するため、ほくろの発生や悪化のリスクになります。
- 帽子や日傘を活用
- SPF30以上の日焼け止めを塗る
よくある質問(Q&A)
Q.ほくろは放っておいて大丈夫?
A.多くのほくろは放置して問題ありませんが、急に大きくなったり、形や色が変わったら要注意です。
Q.子どものほくろは心配?
A.子どもでもほくろはできます。大部分は良性ですが、先天性で大きなものは医師の経過観察が必要なことがあります。
Q.何個までなら正常?
A.特に「数」に制限はありませんが、急に増える、変化するなどがあれば皮膚科を受診しましょう。
Q.保険は適用される?
A.切除の場合は保険が適応されますが、CO2レーザーの処置の場合は自費治療となります。
